身も蓋もない

３学期制の私達は、そろそろ夏休みである。

夏休みと冬から春にかけての２シーズンを最大商戦としている、例の「自動車学校」という連中。彼らにとって、我々が住む「学生宿舎」というのは実に涎の出る場所であろうし、だから高い場所代を払ってでも宿舎内で勧誘行為等の営業を行う価値があるのだ。

山形県を拠点とする「県南自動車学校」が、共同風呂の真ん前に陣取っていて非常に見苦しい。風呂上がりの女子大生に、鼻息を荒げつつ熱烈に、

「うち（の自動車学校）に入るとさくらんぼ１キログラムと、米沢牛１キログラムをプレゼントしちゃいまぁあす。」

と呼びかけている。まぁあすと言っているかどうかは実際のところ私も聞いたことがないのだが、鼻の下の伸び具合で彼の言動はなんとなく推察しうる。

知り合った自動車学校の某教官から色々と聞いたところ、派遣されてきた社員（自分）が１００人ゲットしようが２００人ゲットしようが、自分の給料に差はないらしい。つまり「会社の利益は個人の利益」ということだ。

１ヶ月間も山形県から単身赴任してつくばという田舎で営業を続けるのだもの、女性陣に熱弁を振るいたくなる気持ちも分からないではない。