タカハシホタテ掘り
スポンサードリンク
昨日はタカハシホタテ掘りだった.タカハシホタテというのは600〜200万年前に北海道とか棲息していた貝のことで,名前の通りホタテっぽい形をしている.
ただホタテと違う点がいくつかあって,その一つが貝殻の厚さである.今のホタテは貝殻が薄く,ジェット噴射で遊泳することも可能だけど,タカハシホタテの生き残り戦術は私達の知るホタテのそれとは真逆なものであった.
タカハシホタテが生きていた時代にはタマガイと呼ばれる,他の貝を捕食して生きる貝がいた.
タマガイはドリルのような舌?で他の貝に穴を開け,それをウマウマと言いながら食べるのが得意技らしい.
タカハシホタテはこのタマガイ身を守る為,貝殻をこれでもかと言うほど厚くしていった.厚くしすぎて自ら遊泳出来ず,一生埋もれて生活することを選んだ種類である.
・・・ってじっちゃが言ってた.
昨日観察・採取したのは北海道の沼田町という場所.500万年前の層が川の傾斜に沿って走っているところで,なかなか見応えのあるところだった.露頭の地面をチゼルハンマー(片方が平たくなって堆積岩とかを剥がす用途に適したハンマー)で掘ろうとすると,そこはまだ岩石化していないので,化石がかなり綺麗な状態で掘り出せるという好条件な露頭.
かわー.
化石が採れるような露頭は川沿い・沢沿いに多いですが,やっぱり川が削ってくれるからでしょうねー.
てくてくしあわせ.
これは有孔虫を調べているところ.なんか,ルーペで覗いてみるとアンモナイトの赤ちゃんみたいな有孔虫が沢山いましたー.
次にタカハシホタテの取れる露頭(というか川床)へ.沼田町化石博物館の篠原さんという大変素晴らしい方が,ここにタカハシホタテの完全体(右殻も左殻も揃ってる固体)があるよーと教えてくれたので,私はこれを掘ることに.
ちょっとだけ掘った.
やった!掘り出せた!
狙った化石はまだ周囲が岩石化してないところに埋没してたけど,ハンマーとタガネを使い30分以上かけて掘り出した.
ちょっとだけ削ってみた.ちょうつがいまでほぼ綺麗な形で残ってるではないか!
ここから先のクリーニングはタガネじゃ怖いので,化石博物館に帰ってからやることにした.
一息ついたので周りを見渡す.みんな思い思いの場所を掘っていた.
化石博物館に帰着してクリーニング作業に入る.
小さなゲンノウや釘,歯ブラシを使って付着物を取り除く作業をするところ.ぷち化石ハンターっぽい作業は単純ながらやたら楽しい.2時間くらい平気でコツコツやれそうな感じ.
クリーニングが終了して硬化剤に浸した標本.因みに,ふっくらしているのは泥に沈んでいた側.
硬化剤に浸さないと風化しかけた化石がボロボロになってしまうのです.若い人にはそれが分からんのです.
クリーニング中に片方の殻を先生が持ったところ,ばらばらと崩壊.笑うしかなかった.あとは瞬着でくっ付けて終了.