日々是餃子おかわり!

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写真うp2

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ついでに先週の地球進化学実験の写真も上げときます.


この実験は,まぁ2学期の導入といいますか,とりあえず自分の手で超高圧状態(1〜2万気圧)の環境を作って,それで氷を作ってみよう!という楽しい実験だった.なんというわくわく実験室.

氷は水の結晶で,温度を下げるか圧力を上げれば作れる.普段は冷凍庫で作る氷を,常温の状態で,しかも圧力のほうを変化して作ってみようっていう方向で.ダイヤモンドと鉛筆の芯(グラファイト)はどちらも同じ炭素元素の結晶ですが,二つは全く異なる形をしている(多形という).ダイヤモンドとグラファイトでは生成環境が違う所為でこのような結晶形のバリエーションが生まれるが,実は水の結晶にも同じような多形が存在する.しかも今までに確認されているものだけで,12種類ものバリエーションがあるのだ!
名前はついてないので「氷(Ⅵ)」とか「氷(Ⅶ)」という表し方をするけどすごいよね!

で,今回の実験では学生実験でも比較的容易に作れる(圧力的な問題で)氷(Ⅵ)と氷(Ⅶ)を作る.


「1万気圧も出すなんて,どんな強力なコンプレッサー使うんですか?」

ぼくもそんなふうに考えた時代がありました.
だけど,手のひらに乗るほどの大きさの装置で,しかも軽い腕力だけで1万気圧以上も出せちゃうんですよ!

©株式会社タンガロイ

右下のぽっちに試料を入れ,左上についてあるネジをぐいぐいと回すのです.すると気圧がぐんぐん上がっていきます.ぐいぐい回すと書いたがちょっと語弊があるかもしれない.ぐいぐい回すとダイアモンドが割れてしまう*1ので,少しずつ,くいくい回していく.


で,出来た氷がこれ.常温環境下,どれも手力だけで作った氷である.

2万気圧ぐらい.周囲に見えるのが氷(Ⅶ).真ん中は氷(Ⅵ)になっている.
ちなみに右上に小さく見える黒丸は,本当に小さいルビーの粒.勿論理由があって入れているわけだが,この粒子に赤外線?を当てることにより,内部の圧力が今何気圧なのかを知るのである.

ちょっと気圧を下げる.

氷(Ⅶ)の結晶がびっしりと見えます.単結晶を作るのは容易ではなく,何度も気圧を上げたり下げたりしなくちゃいけない.

もっと気圧を下げてみる.

氷(Ⅵ)が溶けて水になる瞬間.先程の写真よりは若干大きい結晶になってる.


こんな感じでしたが,手のひらの上で1万気圧を作り,常温で氷を作るなんていう体験は勿論初めてだったのでかなり楽しかった(小学生並な感想).ダイアモンドすげえ.

*1:確かにダイアモンドは硬い物質だが,急な反発や応力に対してはめっぽう弱い(靭性)