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「就活くたばれ」デモについて今思うこと

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こういう記事があった。
就活に不満、学生がデモ 札幌中心部で
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/201677.html

デモには、就職先が決まっていない北大の4年生や大学院生ら約20人が参加。「面接多すぎ」や「既卒を差別するな」と書かれたプラカードを持って、「生きるための仕事をよこせ」などと叫びながら、約1時間練り歩いた。

はてなブックマーク - 就活に不満、学生がデモ 札幌中心部で−北海道新聞[道内]:
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/201677.html


──いまぼくは本名と住所をネット上に晒してミニコミ誌を作ってる。
就職合同誌『バカタレー!就活のバカタレー!』
冬コミで頒布する本なので、一応同人誌・合同誌という体を取っているが、編集スタンスとしては完全にミニコミ誌よりで、上がってきた原稿に対してバンバン修正を出すし*1、同人誌だからみたいな甘えは一切なくて本気で取り組んでる本だ。本名と住所を今回晒したのもそうした経緯だったような気がする。

今回の本を作るにあたって各就職ナビに取材を行った。取材を通して見えてきたのは、大手ばかりしか見えてない学生の像だ。
現在の大卒求人倍率は1.62倍である(資料)。つまり、選ばなければ一人の人が1.62社からの内定を得られる状況である。これが本当の氷河期には0.99倍とかになってたりしたのだ。2010年卒は不況なんて言いつつも就職口は、実は多い。
デモをしている人達は、果たしてこの事実を知っていたのだろうか。ちなみにぼくは取材してマイナビの編集長にこのことを聞くまで知らなかったのであまりエラソーなことは言えない。



話が逸れた。就活デモの話であった。
似たような「就活くたばれコノヤロ」スタンスでやってる本誌編集部としては、これは見過ごせない問題である。もっと深く知りたいと思い色々読んでるうちに、このことについて言及しているブログを見つけた。

むしろ「就活くたばれ」と言ってこなかったからこそ今の惨状があるんじゃないの

さらに、ここからデモの主催者と思われる人のブログを見つけた。

O瀧さんの暴動ステーション

デモ主催者の掲げた趣旨を読んでがっかりした。

「就活始まるの早いぞー」
「マイナビ・リクナビは学生を急かすなー!」
「セミナーで企業宣伝するなー」
「ネクタイ息苦しいぞー」
ブラック企業は、セミナーに来るな!」
「面接官、偉そうな態度とるなー!」
「面接に行く時の交通費をよこせー」
「俺達、全員採用しろー!」
「採用されても働かないぞー!」

(via.O瀧さんの暴動ステーション

この中で一番がっかりしたのが、「ブラック企業は、セミナーに来るな!」である。

もっと就活について一石を投じるデモだと思っていたのに、この人達の根底にあるのは、「優良企業に就職したい!でもブラックだったら就職したくない」というスケベ心だったのか????!!!!
ブラックか否かの線引きなどここでは論じないが、日本には魅力的な企業は大変多い。コマーシャルをやっていて有名な企業はB2Cの一部企業だけで、B2Bの堅実な会社というものが日本にはとても多い。
学生がサッと挙げられる企業は100社ないと思うが、結局このデモの人達はCMを出している有名企業で30歳までに1000万稼ぐ人生みたいなものしか見えていないのではないか。
就活のバカタレ編集長が日本企業の肩を持つのはいささかオカシナ体勢の気もするが、しかしぼくはこのデモにこそ疑問を投げかけたい。
『就活は確かにバカタレである。これほど滑稽なことなどない。でも何故就職しないのですか?あなた達にとって生きることってなんですか。』
北大の学生ということで選ばなければ就職先なんてあるんじゃないか。譲れぬプライド・男の誇りみたいなものがあるのも理解出来るが、ドカタでもSEでもとにかく就職する!みたいな選択肢はないのか。
社会の仕組みを変えたいと本気で思うなら、今からでも遅くない。東大に行って政治家になればいいだけの話である。自分にとって本当に都合の良い企業に入れなかったから「採用されても働かないぞー!」なんて叫ぶのは論外で、ぼくにはデモの内容がちぐはぐに映った。


今回、ぼくが本を作るにあたって、今はフリーで活動している人にインタビューしたりした結果が「一度社会に出たほうがいい」だった。『就活のバカタレー!』と叫んで「何でもいいからとにかく会社勤めは経験したほうがいい」なんて結論に至ってしまうのは皮肉なものだ。
しかしぼくの中にも大手出版社で編集としてバリバリはたらく!みたいな夢もあったわけである。既存の社会システムの中に属したい!(できれば好条件で!)という意識があったからこそ、就活をしたわけだし、「結局就職したほうがいいよね」なんて結論になるのは大変当たり前なことかもしれないと思うのであった。



さらにid:amamakoのブログを読み返してみた。

どんなに就活が改善されても、やっぱり不景気の時には企業は求人枠を削減してくる。そうなった時、「就活」以外の道、というか就職以外の道も社会が担保すること。もっと具体的に言うならば「無理に働かなくても良い社会」を構築すること。「就活くたばれ」ということを叫ぶのなら、そこまでのことも一方では考えなくてはならないのではないかと、思うわけだ。

(via.むしろ「就活くたばれ」と言ってこなかったからこそ今の惨状があるんじゃないの

え・・・一番気になるところがそこでいいの?
中盤が読みづらくってぼくみたいな頭の悪いオチコボレ理系男子には結局何が言いたいのかよく分からなかった。でも最後に主張が来てて、「無理に働かなくて良い社会の構築」と繋がるから、これが一番いいたいことなんだろうか。


メンドクサイとか、就活すると金がかかるとかで片付けないほうがいいような気がする。
ぼくもid:amamakoと同じように院に落ちてから(コミケ行ってたから院試落ちたとかそういうゴミクズな理由だった)、それから就活を始め、一年留年して今は小さな地方国立大の5年生だ。
政権が変わってどうなるか分からないが、おそらく日本に住んでいる以上ニートでいつづけられる社会なんてこないし、他人を使役させて自分が働かなくていい社会なんてこない。それにぼくはそんな社会に住みたくない。
働きたくない人の気持ちも分かるし、就活くたばれと叫ぶ人の気持ちも痛いほど分かるが、それでもぼくは十分働いた!おれは十分働いたのだ!と思ってから死にたい。



本誌『バカタレー!就活のバカタレー!』では就活とは何か!!!なんてものを結論づける気はないし、いろんな就活をした学生25人分の体験記やいろんな人のインタビューを読んでもらって、読み手それぞれに考えてもらえればいいんじゃないかなあと思っている。
ただ一つ、3ヶ月ぐらいずっと就活について考え続けてきて思ったのは、多分就職っていいもんですよ。ということである。来春から働く身だしよく分かっていないけど、わけの分からぬワクワクというものは、確かにある。
デモしている学生にも一度なんでもいいから会社に入ってみることをオススメしてみたいし、id:amamakoにもオススメしたいルーシュおじさんであった。

*1:内容に対して注文をつけるとかいうのではなく、表現の仕方とか読みやすさとか